下層ページ③

春はあけぼの。やうやう白くなりゆく山ぎは、すこしあかりて、
紫だちたる 雲のほそくたなびきたる。

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夏は夜。月のころはさらなり。やみもなほ、蛍の多く飛びちがひたる。
また、 ただ一つ二つなど、ほのかにうち光りて行くもをかし。雨など降るもをかし。

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夏は夜。月のころはさらなり。やみもなほ、蛍の多く飛びちがひたる。
また、 ただ一つ二つなど、ほのかにうち光りて行くもをかし。雨など降るもをかし。

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夏は夜。月のころはさらなり。やみもなほ、蛍の多く飛びちがひたる。
また、 ただ一つ二つなど、ほのかにうち光りて行くもをかし。雨など降るもをかし。

冬はつとめて。
雪の降りたるはいふべきにもあらず、霜のいと白きも、また さらでもいと寒きに、火など急ぎおこして、炭もて渡るもいとつきづきし。
昼になりて、ぬるくゆるびもていけば、火桶の火も白き灰がちになりてわろし。

春はあけぼの。やうやう白くなりゆく山ぎは、すこしあかりて、紫だちたる 雲のほそくたなびきたる。
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